踏切を探しに(富士急大月線:大月〜三つ峠)
2008 / 10 / 13 ( Mon )

電鈴式(電鐘式)と呼ばれる古式ゆかしき踏切について書いた08年3月28日の記事に、お二方からありがたいコメント・たくさんの詳細情報をいただきました。

松本電鉄の笠かぶり電鈴はやっぱり積雪期に見たい。まずは近場から…ということで、二年前に電鈴式踏切を確認され、具体的な区間まで教えてくださった富士急行(大月線)田野倉駅へ。

始発大月→上大月→田野倉。音で判断できる…と思っていましたが、よほど車内が静かであるか窓を開放しない限り[カンカンカン…]と[チンコンチンコン…]の違いが判然としません。田野倉駅で下車。

(click↓して再生=25秒)
改札で精算。

ここから徒歩で線路沿いに上大月まで戻りながら踏切探し。事前に地図で道路と線路が交差している箇所はだいたいのめどをつけておきました。肌寒くも、晴れて抜けるように高い秋空です。

まず田野倉駅から一つ目の踏切。
1stfrom_tanokura.jpg

二つ目の踏切。
2ndfrom_tanokura.jpg

三つ目…。
3rdfrom_tanokura.jpg

どれも再生方式。てっぺんに拡声器(=TOA製)が載っています…。
もはやこの区間に電鈴式踏切はありませんでした。

道で会ったおっちゃん、おばちゃんに
「あそこの踏切、昔はチンコンチンコン…って鳴ってた?」
と何度か訊いてみたものの、

「ふだん、音までは注意して聴いてないもんね〜」
「はて…。どんなだったかいな。」

とのこと。
ホントは踏切の前に住んでいる人に尋ねたかったのですが、朝も早くから、さすがに「踏切の音」のことなんぞで知らないお宅の呼び鈴を押す度胸はない…。

大月駅まで徒歩で戻り、再び電車に乗ってこんどは車内から目視で踏切を確認していきます。

ただし、つり革にぶら下がって窓から踏切探しをやると、まさにレーシングカーの通過を見るような「高速首振り」を強いられます。これを踏切の数だけやったら、他の乗客に迷惑な気味の悪いおっさん。富士山を見に行くらしい外国人もたくさん乗っています。となれば、もはや国辱もの…。

先頭車両の運転席横から探すことにしました。これなら前方遠くから近づいてくる踏切をしっかり視認できます。

でもやっぱり、大月から三つ峠駅までの約16kmのあいだにゴング(鐘)はひとつも見つけられませんでした…。
午前十時過ぎ。残念ながら今回はここでタイムアウトです。

densen.jpg
(三つ峠駅ホームにて電線眺望。)

上大月〜田野倉間のうち、田野倉駅近くの踏切の設備が新しいように見えます。もしかしたらココ(あるいは写真三つ目の踏切)が、二年前には電鈴式だったのでしょうか…。
(踏切を渡る車の通行も少なく、録音ポイントとしても良好だっただけに無念です。)

本当に全国から鐘の音踏切が消えてしまうのは時間の問題なのかもしれない…という危機感をあらたにしました。鉄道愛好家の方々、ぜひ残り少ない全ての電鈴式踏切の録音を!

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貧毛。みみずの鳴き声
2008 / 10 / 08 ( Wed )
歳時記で「蚯蚓(みみず)鳴く」は秋の季語。
どうやらこれは、同じく地中に住むケラの鳴き声を古人がそう聴いたようです。

日没後、樹の下の土の下で[ぶび〜っ]と鳴いていました。PCM-D50の内蔵マイクでスケッチ録音。

(click↓して再生=23秒)
蚯蚓あらため螻蛄の鳴き声

私が初めてパソコンというものを手に入れた頃、プログラムしたデータはカセットテープにセーブしていました。おけらの鳴き声は、そのデータ音に似ています。

地面に振動を与えぬようそーっと近づきますが、このテの音色は定位感に欠ける(=正確な音源の位置が特定しにくい)ので、顔を左右に振って音の出所=ケラの穴を探します。ステレオマイクのど真ん中にとらえたつもりだったのに、録ったものを聴いてみると私の見当よりもうちょっと左側にケラは居たようです。

ちゃんと録音するのであれば、単一指向性のマイクで真上から垂直に音を狙うと周囲の音も軽減できて好都合。ステレオで録る意味はほとんど無く、モノラル収録が適していると思います。

上掲の音を録った時にも、地上に出てきたミミズが二匹、どったんばったん体をくねらせていまして、ホントにミミズが鳴いているようでした。

生き物の分類学上は「貧毛目(綱?)」というところにカテゴライズされているミミズ。
てっきり「つるっパゲ」だと思い込んでいましたが、無毛ではなく貧毛ということは、ミミズにも毛がある…?
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L字に栄えた宿場町
2008 / 09 / 29 ( Mon )
首都圏の駅からほど近い、街路樹が続くメインストリート。到着した午後五時にはまだ普通の、いつも通りの街の音でした。録音機をセットして待っていると…。

来た!

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遠くから「しゃ〜っ!」という音が近づいてきて、あっという間に空を埋め尽くす凄まじい数のムクドリの群れ。上空を旋回したあと、まず電線にずら〜っと整列しました。下の写真ではまばらですが、ピーク時にはスキマ無くびっちりと連なり、電線がギザギザに太くなったように見えます。

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しばらくこんな風に横並びになっていたムクドリ達が何かをきっかけにして、いきなり街路樹に向けてダイビング。それも全員揃って一斉に。この時が最大音量です。まるで、砂を満載したダンプカーが荷台を一気に傾けた時のようなザーッという轟音なのですが、見ている光景も合わせた印象では「ど〜ん!」という音に錯覚するほど…。

毎秋、決まった場所で毎夕繰り返されるこの狂騒を「塒入り(ねぐらいり)」というのだそうです。ムクドリだけでなく、ハクセキレイやツバメなどにも見られる興味深い習性。

ちなみにムクドリホテルは交差点から東方面のみ。信号から南へ続く並木はスズメのお宿なのです。北と西側にも延びる街路樹で寝る鳥は皆無…。人の流れの賑やかな通りだけを選んで栄えた、実に不思議なL字型の宿場町です。

スズメの方もかなりの数が集結していて、当日の順序としては
○スズメの塒入り(17:10)→○ムクドリの塒入り(17:20)でした。

録音は、ムクドリの塒入り前後の街の音をクロスフェードで繋いであります。やはりシャーっという高音ノイズにしか聞こえず、現場で聴いたカンジが録音に再現されていません。SONY PCM-D50の内蔵マイクで録ったものです。また機会と機材をあらためて録り直してみます。

(clickして↓再生=37秒)
17:00頃の街の音から17:20ムクドリホテルの喧噪へ

ムクドリの群れに混じって、この時季だけ街中で見ることが出来るという「コムクドリ」がいました。一生懸命探して私が見つけられたのは雄一羽と雌一羽。アタマがつるんと丸くて白いコムクドリ。街路樹の下、トロみのあるホワイトシャワーを腕や肩に浴びつつ、暗くなるまで目が離せませんでした。

この鳥はこれから海を越えて東南アジアを目指す、というのですから涙腺がゆるみます。
東京-マニラ間をざっと3000km、コムクドリの体長を20cmとして換算すると、身長170cmの人間が半年に一度、25500kmを歩く…ってなことにたぶんなるわけで、今後はもう、

「翼が欲しい。」

などと軽々しく考えるのはやめようと思いました。

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虫の音、夏から秋へ
2008 / 09 / 17 ( Wed )
ニッポンの秋と云えば虫の音。

実際にはすでに夏から鳴いているコオロギ・キリギリス類が多いわけですが、気温によって虫の音は変わるのだそうです。秋になり気温が下がってくると、鳴く速度=Tempoがゆっくりになるとか。

まったくの同所・ほぼ同時刻に録ったクツワムシの鳴き声が手元にあるので、これを較べてみます。

(clickして↓再生=15秒)
8月27日19:01録音(気温:24℃)クツワムシ合唱

(clickして↓再生=15秒)
9月16日19:09録音(気温:21.7℃)クツワムシ合唱

合唱団の数もかなり違いますが、この録音に限って云えば速度の差は顕著です。9月に録ったクツワムシは調子の悪い旧型エンジンのように、Tempoが緩慢なだけでなくリズムも崩れがち。青息吐息…といった感じで鳴いていてちょっと可笑しい。

この差が本当に気温の変化によるものなのかは分かりません。でも、夏は密で盛大に、秋が深まってくるとまばらにのんびりと…という経験的な印象とも一致しているように思います。盛夏の虫の音に哀調を感じとるのは、なかなかムズカシイものです。

今、開け放った窓越しに聞こえているのは、涼しげでゆったりとしたカンタンとエンマコオロギの鳴き声。

九月も半ばを過ぎました。


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いきなり思い立って高尾山
2008 / 09 / 06 ( Sat )
お昼過ぎの八王子。夕方、都心での用事は先方の都合でキャンセル。せっかく遠いところまで来てまっすぐ帰るのもツマラナイ…ということで、もう時間も遅かったのですが高尾山を歩くことにしました。午前中、冷房で身体が冷えすぎていたにも関わらず、京王線・高尾山口の駅を出て数分後には吹き出す汗。久しぶりに暑さが戻ってきました。

春に友人と訪れたときに果たせなかった6号路から登ろうと思ったら、先日の大雨で通行止め。この日、ここ以外にも通れないルートが幾つかあったようです。「開通未定」と看板に書かれてあったので結構派手に崩れたのかもしれません。仕方なく琵琶滝から階段を上がって3号路経由で山頂へ。

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富士山はかすかに、本当にうっすらとその両肩が見えていました。
「あ〜今日は富士山見えないね〜」
という会話があちこちで聞こえたので、すかさず
「ほら、テッペンは見えないけど、あそこの雲みたいに見えるのが稜線…」
などとおせっかい。若者たちには無理矢理双眼鏡を貸し付けたりして。

飛行機は絶え間なく上空を飛ぶし、夕方になってもサンダル履きのヤングの喧噪が絶えない賑やかな高尾山山頂でしたが、スケッチとして音を録りました。

(clickして↓再生=21秒)
高尾山頂ツクツクボウシと暮六の鐘の音

ヘッドライトは常時荷物に入っているし、久しぶりに夜の山道を歩く練習でもしようと、陽が落ちるまで待って下山。

4号路〜吊り橋を経て降りました。真っ暗な林の中をライトを消してしばらく歩き、点けてまたしばらく歩く…。やはりここも先日の集中豪雨で路肩が崩れ落ちていて、道もぬかるみ、滑りやすいので緊張を強いられます。ライトを消すと自分の靴が見えません。これで土砂降りだったら果たして自分はこの道をちゃんと歩けるだろうか…などと考えつつ。

こういう夜の山でいつも思うのが全盲の人たちの凄さについて、です。私なんて自宅でたまに目隠しをして2〜30分ほど動いてみたりすると、隅々まで知り尽くしたはずの部屋の中でさえ柱に肩をぶつけ、低い敷居に蹴つまづき、階段の段数を間違えて空足を踏む体たらく。もう何万回と押した換気扇のスイッチを探り当てるのにもモタモタします。

さて。一時間ほどでようやく薬王院の山門横に飛び出し、舗装路を踏んだあたりで遠くから何やら賑やかな人の声。ビアガーデンでした。平日にもかかわらず随分賑わっています。

takao_yakuoin.jpg takao_beergarden.jpg
<薬王院山門と嬌声に満ちた高尾山ビアマウント>

なるほど、7/1〜9/30の期間はこのビアガーデンに合わせてケーブルも夜10時近くまで運行しているのでした。道理で山歩きでは無さそうな人たちが遅くまで山頂に居たワケだ…。

ここから高尾山口駅まではコンクリートの上を転げ落ちるように歩いてあっという間。

帰りの京王線の中でも
「結局、ショーチュー何杯?」
「○×さん、ものすごくピッチ早いよね〜」
という楽しい会話があちこちで。みんな高尾山でしこたま呑んでゴキゲンの様子でした。

おまけ写真は山腹にひょっこり出ていたタマゴタケ。

takao_tamagotake.jpg


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