セッカの鳴き声--低音ノイズの除去--
2008 / 06 / 05 ( Thu )
セッカという、ちっちゃくてかわいらしい鳥がいます。
歳時記では夏の鳥とされながら「雪加」という字を当てる。
ふむふむ、なかなかの情緒漂う野鳥…。

ところが。このセッカはカタカナ表記がぴったりの
まぁ落ち着きのない鳥でして…。

ひょいっ、ひょいっと上がったり下がったりしながら、とにかくせわしなく飛び回るのです。しかも飛びながら鳴く。広〜い田圃のあっちからこっちまで「ヒッ、ヒッ…」「チャッ、チャッ」と鳴きながら行ったり来たり。それゆえ身近にいながら録音がムズカシイ野鳥のひとつではないでしょうか。

とても通りの良い声ですので、鳴き声を録るだけなら簡単。でも指向性マイクの正面軸上できちんと捉えようとすると、手持ちマイクで飛ぶ鳥を追いかけるしかありません…。

東京郊外のたんぼ。朝の四時過ぎで周囲は静かでしたが、1km離れたところに国道。そちらにマイクを向ける形で録ればゴーっというノイズが入ります。この時は移動しつつ一時間粘りましたがダメ。どうしても国道のノイズを背負った方向でしかセッカは飛んで(鳴いて)くれず、時間切れでした。

録音したセッカ、サウンドスペクトログラム
sekka_spct.jpg


さて、こうしてノイズの乗った、このままでは使い物にならない録音ですが、距離の遠い自動車ノイズは低域に音が集まっています。これに対してセッカの鳴き声はかなり高い。低音を切ってもさほど支障がなさそうです。で、セッカのNG録音を素材にして「ノイズを切る」実験。

具体的には、1800Hzより低い部分をカット…という極端な処理を施しました。通常500Hz〜せいぜい1000Hz以下を切るのがローカットと呼ばれる手法。これほど大げさに切ることはまずありません。バックグラウンドノイズが、途中からストンと削れ落ちる感じを確かめてみてください。

(click↓して再生=16秒)
セッカの鳴き声--低音カット

これでほぼセッカの鳴き声だけが残った形になります。(後ろでオオヨシキリが鳴いてる…。)

しかし、これだけ乱暴に低域を切ったので当然ですが、なんだか薄っぺら〜い音になってしまいました。どうしたらいいのか…。

次回、"The lost treasures"=失われた低域をこの手に取り戻すべく、さらなる実験を。
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