踏切の音2
2008 / 03 / 28 ( Fri )
前回のつづき。

ほとんどの踏切が拡声器から電子音を鳴らしているだけ…という今日。
しかしまだ辛うじて「懐かしい踏切の音」も日本各地に残っています。

電鐘式」や「電鈴式」と呼ばれるこのオールドスタイルの踏切。
驚くことに首都圏でもまだ現役で使われていました。千葉県の小湊鐵道の五井駅近くにある踏切で。

(↓clickして再生=11秒)
電鐘式踏切の音
(fc2イメージサーバーの不具合で音がうまく再生出来ないかもしれません…。早く解決してくれ〜。)

聴いて頂ければ、普通の踏切との音の違いがすぐ分かると思います。
この踏切のテッペンには拡声器ではなく「鐘」が載っていて、遮断機と連動したモーターが「チンチン…」という打鐘音を鳴らしているわけです。この電鈴式は別名「ゴング式打鐘式)」とも呼ばれているそうですが、実物を見るとなるほどと納得。

fumikiri_2.jpg


小湊鐵道の電車は上り下り合わせても30分に一本という運行状況であることに加えて、踏切を通過する車の交通量は多く、録音に少々苦労しました。全部合わせて4テイクほど録ったと思いますが、ほぼノイズ無く録れたのは1stテイクだけでした。

マイクの真横に停まったバイクやトラックのアイドリング音、自転車に乗った中学生達の話し声、頭上を通過する飛行機の音…などなどがNGの原因でしたが、さらにここはJRの踏切がすぐ横に隣接しているのも悩みの種でした。そちらの線路では内房線が走っていて、頻繁に警告音が鳴ります。これが重なってしまうともうアウトなわけで。

小湊鐵道は今でもすべての踏切に電鈴式を採用している…というわけではないようです。この踏切から5〜600m離れた、五井駅から二つ目の踏切は、とても音の悪い拡声器型でしたから。

東京からほど近い五井駅という近所でこの音が聴けたのはとても嬉しいことでした。しかし静かな田舎の踏切でも録音してみたい…。江ノ電にもレトロ踏切があるようですが、人や車の往来は五井駅の比ではないでしょう。
熊本電鉄は、いまだに踏切のほとんどがこのタイプなのだとか。次回帰省した折に是非録ってこようと思っています。

もし、これを御覧になっている鉄道マニアの方で
「○×線のどこどこ辺りにある踏切は電鐘式だ。」
という情報をご存じの方がいらっしゃいましたら、教えてくださいませ。出来るだけ具体的な場所が分かっているとタイヘン有り難いです…。


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踏切の音
2008 / 03 / 27 ( Thu )
まずは普通の踏切の音をアップします。

(↓clickして再生=9秒)
普通の踏切の音

(fc2イメージサーバーの不具合で音がうまく再生出来ないかもしれません。早く解決してくれ〜。)

現在、踏切では電子音をスピーカーから再生して、あのカンカンカン…という警告音を鳴らしています。JR・私鉄を問わず、この方式によるものがほとんど。

fumikiri_1.jpg

(上部に載っているスピーカー見えますでしょうか…。)

もともとの電子音が良くないのか、はたまた(耐候性の強い?)拡声器のようなスピーカーが悪いのか、コモっていて不明瞭な音が鳴っている踏切も少なくありません。
アップしたmp3も、そういう「音の悪い踏切」のひとつ。

しかし昔の踏切はこういう音ではなかったし、現在でも懐かしい音を聴ける踏切がわずかながら残っています。

次回につづく…。


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ミナ・トーキー2
2008 / 03 / 24 ( Mon )
前回のつづき。

Lee De Forest(1873-1961)が開発したシステムを、皆川芳造が権利を取得して日本に持ち込みミナ・トーキーと呼んだようです。なので、これはたとえば土橋式トーキーのように「国産」とは呼べないのかもしれません。

皆川に依れば、このリー・ド・フォレストという人は大正十二(1923)年にトーキーを発明、ニューヨークで上映を行った…。しかしちょっと調べてみると世界初のトーキー映画としては1927年にワーナー・ブラザーズによる『ジャズ・シンガー』という作品だということになっていて、フォレストのトーキー発明より四年も遅いのに世界初。よく分からない…。
ちなみにこの『ジャズ・シンガー』は映写される映像にレコードを同期させるVitaphone方式というものを採用していたようです。

先に「皆川に依れば〜」と書いたのは、本人が建てた石碑を典拠としています。
浅草からほど近い、隅田川のほとりにある待乳山聖天(まつちやま-しょうでん)という寺院に「トーキー渡来記」と題したこの記念碑があります。

minagawa.jpg

この碑文、現時点でネット上には見あたらないようですので、以下に全文を載せておきます。

-------<以下、碑文翻刻>-------

トーキー渡來記(*右から左へ横書き)

(*以下すべて縦書き)
リー・デ・フオーレスト博士は明治六年米國アイオワ州に生れ(ママ)無線電信電話の開拓者として三百有余の特許権を得(改行)
ラジオの父と仰がる。大正十二年更にトーキーを発明、紐育市に於て(ママ)上映世人を驚かせたり。大正十三年故高峰譲(改行)
吉博士令息エヴエン氏來朝の際、余親しくその詳細を聴きて将來に着目す、翌年渡米、博士の好意により東洋にお(改行)
けるトーキーの製作及び配給権を獲得したり。依て(ママ)米人技師を帯同帰國、大正十四年七月九日宮中に於て(ママ)(改行)
天皇皇后両陛下の天覧に供し各宮殿下の御覧を仰ぎたる後一般に公開せり。トーキーの我が國に招來されたる之を(改行)
以て初めとす。以來余、我國におけるトーキーの製作を企図し、日本人技師をフオーレスト博士の許に派して技術(改行)
を習得せしめ余の渡米もまた前後九回に及べり。大正十五年大森撮影所において撮影を開始し、ミナトーキーの名(改行)
を冠して黎明、素襖落、大尉の娘等の劇映画を完成す。これ我國におけるトーキー製作の濫觴なり。爾來トーキー(改行)
は日進月歩、昭和三年の衆議院議員普通選挙には時の田中首相及び三土、山本、小川の各閣僚が自ら画中の人とな(改行)
りて政見を発表する等の普及発達をみたる外ミナトーキーは上海を始め東洋各地にも大いに進出するに至れり。(改行)
今やトーキー我國に渡來してより三十年を閲するもフオーレスト博士の発明形式は依然として世界各國に踏襲さる。(改行)
フオーレスト博士は極東軍総司令官マツカーサー元帥を介して余に日本におけるテレビジヨンの創設を慫慂したり。(改行)
正力松太郎氏にその意を伝う。正力氏夙にテレビジヨンの創設に意あり、フオーレスト博士の勧奨を機とし、氏(改行)
独自の構想の下にテレビジヨンの実現に努力し遂に昭和二十七年テレビジヨン電波許可第一号を受け、日本テレビ(改行)
放送網株式会社を創立し余もまた役員に加わる。翌二十八年八月三十日日本における最初の電波を出せり。これ偏(改行)
に正力氏の業蹟に依ると雖もまたフオーレスト博士の日本への友情に基く(ママ)ものというべく吾人の感謝措く能わざる(改行)
ところなり。(改行)
今日トーキーの普及発達は実に目覚しく(ママ)、テレビジヨンの普及もまた瞠目に値す。フオーレスト博士の文化に貢献(改行)
する処絶大なりというべし、茲に余の旧縁の地待乳山の名蹟を卜して碑を建てトーキー渡來の由來とテレビジヨン(改行)
創成の縁由を刻して博士の功績を讃え併せて報恩の微意を表す。(改行)
昭和三十一年五月吉日 建碑者 皆川芳造

-------<以上>-------


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ミナ・トーキー
2008 / 03 / 23 ( Sun )
一般的に日本初のトーキーは松竹による『マダムと女房』(昭和六年=1931年 監督:五所平之助)とされています。ただ、厳密に「日本初」となると作品の特定が難しいようです。

たとえば皆川芳造という人の名前を冠したミナトーキー(ミナ・トーキー)による映画はこれより早く、大正十四年(1925年)に天皇皇后両陛下の前で上映、その後一般にも公開されたという記録もあります。劇映画としても大正十五年『黎明』『素襖落』『大尉の娘』などの作品が大森撮影所で作られているそうです。また、昭和三年の衆議院議員普通選挙に際しては時の田中義一首相その他の閣僚(恐らく三土忠造 山本悌二郎 小川平吉)がこのミナ・トーキーで政見発表まで行ったとのこと。

皆川芳造の名前がクレジットされた映画をYouTubeで観ることができます。
(素晴らしいですねYouTube!)

1939年(昭和十四年)に製作された、この『靖國神社』という作品中、5分あたりに「支那事変」というセクションがあります。そこでは嬉しいことに音楽・ナレーションなしで効果音のみを聴くことができます。ミナ・トーキーに限らず、この頃のトーキー映画は恐らくほとんどがアフレコだと思われますが、この「支那事変」では戦闘機の音まで入っていて驚きました。






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風切り音
2008 / 03 / 09 ( Sun )
効果音で使用頻度が高いというか、色んなジャンルに使われる音の一つに
「ひゅんっ」
という、いわゆる風切り音があります。


ものを振り回せば、どんなものでもこういう音が出そうなカンジがするのですが、実際にやってみるとなかなかどうしてムズカシイ。

ザルやおろし金などを振ると良い、と言う効果マンさんもいますが、これもうちにあるもので試してみたところほとんど音がしませんでした。別にその人が嘘を言ったわけではなく、材質や大きさ、そしてザルなら編み目の細かさ、おろし金なら穴の大きさが少し違っていても鳴り方に著しく影響する…ということだと思います。

竹で出来た長い物差しはなかなかいい音がしました。ただ実際にはあまり長いものより、短いものの方が録音しやすいのです。マイクの正面で強い「しなり音」が鳴ってくれれば、音質・音量2つの点からみても好都合だからです。

で、色々と試した結果こういうものを作って(?)みたところとてもうまくいったのでご紹介。

uchiwa.jpg


団扇を骨だけにしたものです。

骨組みの素材が柔らかいプラスチックというのも具合が良いようで、しなるカンジがはっきりと音に出ます。コンパクトなため1ストローク振り下ろすだけでなく、マイクの真正面で素早く往復させることも可能。複雑な「しなり音」が簡単に録れてなかなか優秀な効果道具と云えます。

(↓clickして再生=3秒)
うちわでひゅん




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雪解け
2008 / 03 / 01 ( Sat )
純粋な意味での「山の音」というものがあるのかどうか、いまだ分からずにいます。

もしあったとしても、山鳴り・地鳴りなどの音と同じく、録音して「それと分かる」形に残すことはムズカシイかもしれない…という印象です。遠く・低く・かすかに…というこの手のサウンドは、どうしても音量や音域の問題がレコーディングする際のネックになります。

録れる録れないは別にしても、山中の音を収録するために適した季節はやはり冬。
春から秋までは山に棲む生きものの鳴き声、つまり鳥や虫の喧噪が主役になってしまうからです。

たとえば沢の音、せせらぎの音などもそれを単体の素材として録るには厳冬期が好適。上記の鳥や虫以外にも、こうした水まわりでは春以降カエルの鳴き声も加わってきてしまいます。
騒がしく、やかましいことを蛙鳴蝉噪(あめいせんそう)と云うそうですが、まさに読んで字の如し、です。

啓蟄も間近。ナリは小さくとも賑やかな生きものたちの活動開始を目前にして、今日は「春の兆し」を録った音をアップします。


sawa.jpg

(小さくて何を撮ったのだか分かりにくい…)

写真はイメージ。録音場所とは異なります。
余談ですがこのくらい深雪に覆われた沢だと、かなり近くまで寄っても水音はほとんど聞こえないのも面白い現象です。雪に吸音されているからでしょう。

さて。1月の奥多摩で録ったこの音、小さな小さな流れが岩の下で不思議な響き方をしていました。その雰囲気が録れただけでも十時間の山歩きと疲労が報われる思いでした。

最後の方にカサカサ…という音がかすかに聞こえますが、これは時折急斜面を転がり落ちてくる小さな落石の音です。

(↓clickして再生=13秒)
雪解け水の音




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