エアコンの室外機
2008 / 08 / 16 ( Sat )
例年、夏になると気になることがあります。エアコンの室外機が出す音です。

この程度の騒音で神経質になれるほど静かな住宅地、感謝すべきなのでしょう。でも、やっぱり気になり出すともういけません。耳と意識がこの音に集中してしまう…。

(click↓して再生=16秒)
裏の家の室外機の音。


午前二時過ぎ、うちの洗面所の窓から録音しました。大した音量でもないのです。ただ、録った音を聴いてみると、低域が結構出ていることに気づきます。厚手の防振ゴムなどを下に敷くことで少しは軽減できる騒音なのかも。

以前、とある住宅街を歩いていたときに、古くなってキーキーときしみつつ鳴っている室外機に出くわしたことがあります。これが隣家だったらオソロシイな〜と思う大音量でした。

開けた窓から毎晩このキーキーを聴かされてはたまらないだろう、そうなると自分は深夜こっそり油を差しに行くかもしれない、で、犬に吠えられる。ぱっと部屋の灯りがついて、じゃーっとカーテンが開いて住人に見つかる…。

その時、真夜中のヒトサマの裏庭で、懐中電灯と潤滑油の缶を握りしめた自分はいったいどういう言い訳をするだろう…というところへ想像がふくらみ、緊張のあまり汗が噴き出したことを、ふと思い出しました。

裏の家の室外機がキーキー言い出さぬよう、祈るばかりです。

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樹木の穴から聞こえてきた音
2008 / 07 / 28 ( Mon )
山梨の山中をマイク振り振り歩いていた時のこと。
突然こんな音が林の中から聞こえてきてびっくりしました。

(click↓して再生=16秒)
わしゃわしゃ…コツコツ…

ヘッドフォンを外すと聞こえない。眼で見ても音源がどこなのか分かりません。

指向性の強いマイクでゆっくり音の出所を探すと…。
どうも茂みの向こうの幹から聞こえてくるらしいと分かりました。あたりはもう薄暮。暗い林の中、双眼鏡を覗くと樹幹に穴があいています。鳥の巣…。
録音はヤメにしてズームで写真を撮り、離れてしばらく観察。

nest.jpg


一度だけ親鳥が飛んだのですが暗くてよく見えません。ヒヨドリくらいの大きさでした。
飛び去った彼方から聞こえてきたのは「ピーっ」という鳴き声。
でもヒヨドリって樹の幹に穴をあけて巣作りする鳥じゃないですよね…。
アオゲラ?
(場所は標高1000mにちょっと欠けるくらいの薄暗い山林、巣穴は地面から2〜2.5mくらいのところに。)

幹の根本から少し離れた所には、製材所か…と思うほど大量の木屑が山になっていました。
録れた音の中にも「コツコツコツ…」という音が聞こえます。まさに掘削中だったのでしょうか。

不思議な音が録れるのは楽しい。でも私の知識不足でそれが何の音なのか分からず「謎の音」ばかりが増えてしまうのはちょっと複雑な気分です。

さて。上記とまったく関係無いのですが、おまけカット二枚。
韮崎付近で撮ったオオムラサキ・交尾中のルリボシカミキリです。

oomurasaki.jpg ruriboshi.jpg

オオムラサキはサイズが大きいからでしょうか、
離陸する時に羽ばたきの音が聞こえたのには、驚きました。


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「眼も耳も」のムズカシさ…
2008 / 06 / 20 ( Fri )
先週、梅雨の晴れ間ということで江戸川へ。ここのサイクリングロードを自転車で走るのは久しぶりです。昨夏愛車を盗られてしまい、一年近くもクヨクヨしていたのですが、意を決して車種違いを再購入。その試走を…と、夜明けと共に家を出ました。

川に出ると対岸にカッコウの鳴き声。遠いな…と思ったものの、上流に向かってしばらく走っても声の距離感が変わらない。どうやら私と並行して移動しているようです。そのうちこちらの岸にも渡ってきました。

川に沿ってほぼ同じ区間を上流←→下流、此岸←→彼岸…と行ったり来たりしているらしいことにようやく気づき、リュックに入れてきたレコーダーとマイクをもぞもぞ取りだして待つこと三十分。近くの木のてっぺんにやってきてくれました。

午前五時頃とは云え、すでに対岸からは車ノイズが大きく、上流側にはJRの鉄橋もある。ただ、直近の道路からの騒音は土手が遮ってくれているおかげで、マイクの振り方によってはノイズを軽減できそう。そのsweet spotを探りつつ、じりじりと移動…。

そこそこの場所が確保できたあたりで鳴きはじめました。しかし「間に合った…」と安堵したのもつかの間、鳴き声が緊張感を増したと思ったら、カラスか何かと戦闘モードに入ったらしく、すぐに飛び去ってしまったカッコウ…。

(click↓して再生=20秒)
江戸川河川敷にてカッコウ

空中戦みたいな追いかけっこをやっていたようでした。でも、飛び去る二羽のシルエットがチラっと見えただけで、その争う姿を観察することは叶わず。ほぼ頭上での出来事だったのに〜。

だいたいにおいて私の眼は節穴です。ましてや録音中は尚更それが顕著でして、ヘッドフォンの音を一心不乱に聴いているだけ。レコーダーのレベルメーターだけをニラんでいるのではなく、もっと録音対象をきちんと眼で見なければダメだな…と思うのですが、私にはこれがとてもムズカシイ。視と聴をうまく並立させられません。

果たして自覚と訓練次第で改善されるものなのでしょうか。
いずれにせよ今後の課題です。

P.S.
カッコウが飛び去ったあとに「うるさ〜い」と、おじさんの声。怒鳴っているのにちょっとのどかで微笑ましい。ただ、何がうるさいんだろう…カラスが?カッコウが??まさかカラスの威を借りて声を荒げるオオヨシキリを叱りつけているのか???と不思議に思っていたのですが、今聴いてみると土手の向こうで犬が鳴いていたんですね…。

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セッカの鳴き声--低音ノイズの除去--
2008 / 06 / 05 ( Thu )
セッカという、ちっちゃくてかわいらしい鳥がいます。
歳時記では夏の鳥とされながら「雪加」という字を当てる。
ふむふむ、なかなかの情緒漂う野鳥…。

ところが。このセッカはカタカナ表記がぴったりの
まぁ落ち着きのない鳥でして…。

ひょいっ、ひょいっと上がったり下がったりしながら、とにかくせわしなく飛び回るのです。しかも飛びながら鳴く。広〜い田圃のあっちからこっちまで「ヒッ、ヒッ…」「チャッ、チャッ」と鳴きながら行ったり来たり。それゆえ身近にいながら録音がムズカシイ野鳥のひとつではないでしょうか。

とても通りの良い声ですので、鳴き声を録るだけなら簡単。でも指向性マイクの正面軸上できちんと捉えようとすると、手持ちマイクで飛ぶ鳥を追いかけるしかありません…。

東京郊外のたんぼ。朝の四時過ぎで周囲は静かでしたが、1km離れたところに国道。そちらにマイクを向ける形で録ればゴーっというノイズが入ります。この時は移動しつつ一時間粘りましたがダメ。どうしても国道のノイズを背負った方向でしかセッカは飛んで(鳴いて)くれず、時間切れでした。

録音したセッカ、サウンドスペクトログラム
sekka_spct.jpg


さて、こうしてノイズの乗った、このままでは使い物にならない録音ですが、距離の遠い自動車ノイズは低域に音が集まっています。これに対してセッカの鳴き声はかなり高い。低音を切ってもさほど支障がなさそうです。で、セッカのNG録音を素材にして「ノイズを切る」実験。

具体的には、1800Hzより低い部分をカット…という極端な処理を施しました。通常500Hz〜せいぜい1000Hz以下を切るのがローカットと呼ばれる手法。これほど大げさに切ることはまずありません。バックグラウンドノイズが、途中からストンと削れ落ちる感じを確かめてみてください。

(click↓して再生=16秒)
セッカの鳴き声--低音カット

これでほぼセッカの鳴き声だけが残った形になります。(後ろでオオヨシキリが鳴いてる…。)

しかし、これだけ乱暴に低域を切ったので当然ですが、なんだか薄っぺら〜い音になってしまいました。どうしたらいいのか…。

次回、"The lost treasures"=失われた低域をこの手に取り戻すべく、さらなる実験を。
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シュレーゲルアオガエル?
2008 / 05 / 19 ( Mon )
日本で車の音がしない場所を見つけるのは本当に大変なことです。耳で聴いて「静かな所だな…」と思ってもマイクを通すと、まず間違いなく遠くを走るゴーっという自動車のノイズに満ちています。これは山に登っても同じことで、裾野から騒音が山肌を上がってきていることがしばしば。

なので、地図を見て高速道や交通量の多い幹線道路から遠く離れた所はないだろうか…と探したりするのですが、こういう場所がありそうでなかなか無い。

ところが先日、茨城と福島の県境あたりを車で走っていた時のこと。近年まれに見る幸運を得ました。

かなうことなら、まだ蝉の鳴いていないこの季節に静かな森の音/初夏の田園風景の音を録りたい…と願いつつ、いつものように国道からそれて、交通量のほとんど無い県道を走り「林道入り口」の標識を発見。見れば幅員4mほどの林道が確かに森の中へ延びています。

私の車はセダンにしてはかなり車体が大きく、しかも四駆ではないのでこういう隘路に踏み込むことに不安は少なくないのですが、とりあえず舗装路が途切れるところまで入ってみることにしました。

前置きが長くなってきたので中略。

林道を走ることわずか数分。
いきなり美しい合唱が目の前に広がりました。
シュレーゲルアオガエルでしょうか。

SchlegelsFrog.jpg


鳴き声からするとかなりの個体数が棲息しているはずなのに
どれだけ水田に目をこらしてみても、一匹たりともその姿が見えません。
どこで鳴いているのだろう…。

カエルの鳴き声とはいってもアマガエルのそれとはまったくちがった趣。
二台のレコーダーを回しつつ、録音もさることながら
その堅くて丸いころころとした音色にうっとりとしてしまい、一時間半くらいその場を立ち去ることができませんでした。

(click↓して再生=30秒)
惚然と現れた桃源郷に恍惚。久しぶりにステレオmp3でどうぞ。



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