マガンと流れ星
2009 / 11 / 07 ( Sat )
日本に渡ってくるマガンの8割以上が
宮城県北部で冬を越すのだそうです。

伊豆沼・内沼、そして近年では蕪栗沼なども有名な越冬地。
いずれもラムサール条約に登録された湖沼群です。

憧れのマガンちゃん…。

3日後のシゴトを電話で確認。
いま行かないと11月、12月は無理かもしれない…。
30分悩んで決心。
東北道をひたすら北上して、午前3時半に現地到着。

それから翌日夜まで、まさにマガンまみれの40時間となりました。

magan1.jpg

朝焼けの沼で、数万羽のマガンが一斉に水面を蹴る…という
「鳥肌が立つ」ほどの、ねぐら立ち。

夕方には、いったいどこから湧いてきたのか
とんでもない数のマガンが大群で沼へ戻ってくる、ねぐら入り。

昼間は昼間で、あちこちの田んぼで餌をとったり昼寝をしているマガン。
高い秋空を「鉤になり、竿になり…」隊列を変えつつ飛んでいくマガン。

今年は飛来が少し早く、本格シーズンの11〜12月を前にして
すでに伊豆沼周辺で合計6万羽を超えていると聞きました。

magan2.jpg
(伊豆沼近くの田んぼに舞い降りるマガンの群れ)

ねぐらを飛び立つ時に大声で鳴いて、飛びながら鳴いて
田んぼで落ち穂拾いをする合間にも鳴いて、
夕焼けをバックに鳴きながらおうちに帰って
さらに夜通し鳴きっぱなしだったマガン。

(click↓して再生=21秒)
5〜10羽の小編隊で鳴きながら飛んでいくマガン。

magan3.jpg
(蕪栗沼夕景)

その夜、蕪栗沼にはびっくりするほどたくさんの流れ星が降り注ぎました。

オリオン座流星群だったのだ、
と知ったのは帰宅してからのこと。

あれからまだ二週間しか経っていないのに
なんだかもうマガンが恋しいです。


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へたっぴ?
2009 / 10 / 27 ( Tue )
ひと月ほど前のことですが
夜中、濡れ縁の下から変な音が聴こえました。

鳴き声のリズムは、エンマコオロギのそれにそっくりです。

これはたとえば脱皮したてで、うまく鳴けなかったのでしょうか。
まだ翅が充分に堅くなってない…とか?

というわけで、玄関を数歩出ただけの野外録音から。

(click↓して再生=16秒)
へたっぴな鳴き声? 音が左に寄っちゃって録音もへたっぴ。

鈴を手中に包んで振っているようなサウンドです。

さて。
気がつけばいつの間にやら虫の音もひっそりとしてきました。

あと十日もすれば立冬。

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獣害対策:後編
2009 / 10 / 09 ( Fri )
前回のつづき。

竹や板をがちゃがちゃ鳴らし、鳥獣から田畑を守る…
という技術は大昔からあって、鳴子(なるこ)と呼ばれるものがそれ。

で、その鳴子の現代版に当たるのがコレ↓。

bakuonki1.jpg  bakuonki2.jpg

通称、ガス鉄砲。
バクオンキ(爆音機)と呼ぶ人もいます。
こちらは商標名のような気もしますがよく分かりません。

プロパンガスのボンベに点火プラグ+発音装置をつなぎ、
タイマーで作動をコントロール。
何分間隔で鳴らすか、朝何時から夕方何時まで鳴らすか、など
最近の製品はかなり細かい設定が可能になっています。

バクオンキという名の通り、とても大きな音がするので
人の歩く道路際に設置されることはまずありません。
ですので、音は知っているけど実物は見たこと無い、という人が多いかも。

今回アップする音も、持ち主にお願いして
田畑の最上段まであぜ道を登り、録らせて貰った時のものです。

yamaai_tambo3.jpg
(写真最奥部からさらに左へ登った林縁に稼働中のバクオンキが1台ありました。)

ガス鉄砲は近くで聴くと、素晴らしく迫力のある音で
ズドンっ!、バスンっ!と鳴ります。

当然ですが、至近距離まで寄って録音するには
イヤーマフあるいは耳栓など
それなりの用意をしておかないと、耳がアブナイ…。

以前はどこででもこの音が聴けたのですが
近年、めっきりその数が減ってきました。
騒音への苦情が増えているせい、だそうです。
嫌いな人が多いのかな…。

私にとってガス鉄砲の音は
酒屋の軒先に吊るされた杉玉のようなもの。

今年も豊かな稔りに恵まれましたよ〜という
ニッポンの山里に響く、懐かしい秋の音です。

(click↓して再生=16秒)
これは2~30m離れた位置から録ったテイク

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獣害対策:前編
2009 / 10 / 05 ( Mon )
山あいの田んぼに稲穂が垂れる。

集落の生活と一つに溶け合った、そんな田園風景に出会うとココロが震えます。

斜面を切り開いても、得られる耕地はわずか。
そこに水を引き、稲を育てる。
過疎と高齢化はどんどん進んで、こうした田畑の維持は
ますます難しくなってきているのだと思います。

yamaai_tambo.jpg  yamaai_tambo2.jpg

またこういう場所は、平野の田畑と違って
獣害問題も農家の悩みの種。
周囲に山が迫っているため、避けられないこととは云え、
被害は甚大で、かなり深刻なんだそうです。

稔りの時季を迎える今頃、人とケモノの間で日夜
静かに、そして必死に繰り広げられる攻防…。

denkisaku.jpg

上の写真は電気柵。
高電圧パルスをごく短い間隔で断続的に流す仕組みになっているようです。

どのくらいのショックがあるのか、一度触ってみたい…
と思ってはいるものの、勇気が足りず未体験。

自家消費用の小さな畑ではトタン板で
囲いをしてあるものも見かけます。
しかし、イノシシは穴堀の名人。
下からトンネルを掘って侵入し、一晩で作物全滅。

totan_saku.jpg

以前、石見地方を旅した折に泊めてもらったお百姓さんの家では
地中深くまでこの波板を埋めていました。
それでも破られることがある、と。
島根の山奥は昔からイノシシの多いところです。

ハイテク、ローテクいろんな技術が入り交じっての獣害対策。
次回へつづく…。

(click↓して再生=28秒)
上州の小さな山間集落にて、おっちゃんの話。


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世界一有名な叫び声
2009 / 09 / 28 ( Mon )
「その筋」では良く知られたウィルヘルム・スクリーム
と呼ばれる効果音があります。

そもそもは『遠い太鼓』(1951)という西部劇の中に使われた男性の叫び声。
男がワニに食べられちゃうシーンに出てきます。
この音がWarner Bros.のサウンンドライブラリーに保管され、
その後、同社の色んな作品に使い回されていたんだそうです。

「なんだか複数の映画から同じ叫び声が聴こえてくるぞ…」
と気づいたのが、のちにハリウッドの超有名サウンドデザイナーとなるBen Burtt。

distant_drums.jpg

Benと、その友人Richard Andersonは
『スター・ウォーズ』『バットマン・リターンズ』など
彼らが手がけるヒット作に再びこの「ウィルヘルムの叫び」を効果音として
使い始めます。さらに…。

Gary Rydstrom、Chris Boyesといった、これまたハリウッドの
超売れっ子サウンドスタッフたちがこれに続き、
『トイ・ストーリー』『パイレーツ・オブ・カリビアン』などにも
使用されていくWilhelm scream

いわゆる「業界内での流行」だったようですが、
この叫び声のファン(?)はどんどん増える一方で
比較的近年ではタランティーノ作品などなど、
現在分かっているだけで150本くらいの
映画に登場…というのですから驚きです。

もしかしたら、この悲鳴を「手本」にして後年、録り直した
偽ウィルヘルムだって出回っているかもしれません。

ハリウッドではいい加減「沈静化」しているようですが
すでに世界各地に飛び火していて、これからもまだまだ使われていく可能性アリ。

『フェザー河の襲撃』(1953)に出てくる
Private Wilhelm=ウィルヘルム(二)等兵という役名にちなんで
名付けられたこの効果音、勝手に抜き出してアップしてみます。

(click↓して再生=16秒)
映画『遠い太鼓』から。みんなきっとどこかでこの叫び声を聴いている…。


ところで、この叫び声のヌシは
ミュージシャンで声優だったSheb Wooley
だったんじゃないか…?と考えられているようです。
六十年前のことなので、ワーナーにも資料が残っていないのでしょう。

sheb_wooley.jpg(webから勝手に引っ張ってきたシェブ・ウーリーの写真)

ちなみに『遠い太鼓』の効果アフレコのマスターテープには
短い叫び声が6テイク収録されていたそうです。

たぶん一番有名なのは、そのうちのテイク4だとのこと。
ちょっと情けないカンジの「ああ〜っ」という悲鳴は
一度覚えると、ぼけーっと映画を見ていても
あっ、うぃるへるむ!?
と気づくようになります。

イロイロと世知辛い昨今、これからは決して生まれないであろう
「世界中の映画で使い回されてきた効果音」のお話。

個人的に、ちょっと好きなエピソードなのです。

<参照リンク>
ウィルヘルム・スクリームの詳細は→こちら
ウィルヘルムの叫び声が使われている映画のリストは→こちら
シェブ・ウーリーのwikipediaは→こちら

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